吾輩はネムである ②


そんな、お利口猫のねむちゃんは

お口が上品で

決まった物しか口にしない。



初めは食卓にあがると

すぐにおろしていたけれど、

人間の食べ物は、

匂いをかぐだけで食べないから

今は自由にさせている。


ネムちゃんが口にするものは、

キャットフードと、猫用いりこと、

かつお節となぜかコーン。


そこに至るまで

ブロッコリー、カボチャ、リンゴ、海苔と

「少しずつ食べては、食べなくなり」を

繰り返し

ずっと飽きなく好きなのがコーン。


朝1さじのコーンが習慣。


そこをとばすと

かまれる。


台所に立っている私の背後からふくらはぎを

かぷりと噛んで

「何か忘れてないかい?」と主張する。

そして「コーンですね?」と尋ねると、

コーンと言っているつもりなのか

この時だけは濁音で

「 ビミャー 」

と、返事する。


猫嫌いだった私が、ネムちゃんとの日々で

気づいたことが、いくつかある。


猫ちゃんたちは、自分の意思をはっきり

持っているということ。


今、眠たいの。触られたくないの。

遊んでほしい。ほっといて。


ワンちゃんとは、ちょっと違う。


まず誰にでもは触らせない。

相手を認めるまで、一定の距離を保つ。


なんと拾い主の長女が毎回その対象で

帰省のたびに拒否られている。

1日目は常に2M位の距離を保つ。

距離を縮めようとすると、

威嚇しながら逃げる。

2日目に1M位、3日目にて目を合わせなければ 

抱っこも可

てな具合でネムちゃん主導で触れ合う時間や

タイミングがはかられる。


いつも一緒の私でも、抱っこしてベットに

連れて行くと

今じゃないのよ~と

逃げられることがたびたび。

あきらめて電気を消すと、

5分後にベットに上ってくるのに

私に連れていかれるのは

いやなのだ。


つねに

僕は僕の意思で動きたい

そう主張しているのだ。


マンション暮らしのネムちゃんは

大人になった今でも

1日中よく寝ている。

でもだからこそなのか、起きている時間は


ネムちゃんの主はネムちゃんなのよ!


とばかりに主張する。

そこがまた可愛くて。


猫を飼っている方々は、どんなに可愛い

猫動画を見ても

「自分ちの猫が一番可愛い♡」と

思うらしい。

それは猫ちゃんと飼い主さんたちと

絶妙なコミュニケーションで

お互いを尊重する関係性が

できあがっているからこそ、

なのかなと思う。


人も猫ちゃんみたく

私の主は私なのよ、って常に思いながら

生きられたらいいなって。


猫ちゃんのように、吠えるのではなく、

さりげなく尻尾ではらったり

猫パンチで手をさえぎったり、

クスリと笑えるような

お断りの手法も身につけて

それでもお互いを尊重できる

関係性をもてたら

人との関わりも変わって

いきそうだ。


トリニティ

回り続ける三つの渦が、 織りなす世界を綴ります。