選んでいいの? 涙の告白②
え、絵、 画!
画が 描きたかったのー?
泣きじゃくる娘に確認すると
言葉にならず首だけ縦にふる。
「どうして、そんなに泣かなきゃいけないの?
やってみればいいじゃない。」
「 、、ぃ ぃ の?
、、っく、い い の?
え、えら、っく、んでも、っく、いいの? 」
選んで いいの?
「た、食べていけないっておばあちゃんが。
「こ、こわいんだよ。
えらぶのが、こわいんだよ。
食べていけないのに、えらぶの?
やってみても、できなかったら
どうしたら いいの?
やり直しきかないよ。
苦しいんだってよ。
それなのに 画が描きたいんだよ。
怖くてたまらないんだよ。」
幼稚園児みたいに大泣きする。
私も一緒に涙がぼろぽろ。。
小さい時からお絵描きばかりしてた娘に
「 Yちゃんは絵の上手かね。
絵が好きとでしょ。
でも絵は趣味にしときなさい、
絵では食べていけないからね、
絵で食べていくのはおおごと、
大学に行っても、食べていけん人ばかりよ。
描けんくなって、苦しくなって大変よ。」
これは、
おばあちゃんの親切心。
周りの人達をよく見て聞いて
経験談からのアドバイス。
悪意のひとかけらもなくて、
「可愛い孫に、苦しむ人生を送って欲しくない」
って
それだけの思いだった。
私もよく聞いていた。
ふんふんと、何気なく聞いていた。
ふんふんと、何気なく聞いていた。
でも娘がこの言葉に縛られて
苦しんできたんだって
今、初めて気づいた。
そんなに苦しんでいたなんて
そんな想いを閉じ込めていたなんて
全然知らなかった。
言葉って。
良くも悪くも
祈りにも呪いにもなるんだと
この時、すごく実感したのだ。
つづく
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